| 24.忠誠を誓う(白馬×紅子) |
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放課後、江古田高校2年B組では賑やかな声が響いていた。 「へぇ、どこがお子様じゃねーって言うんだよ?」 楽しんでいるとしか思えない口調の彼は、江古田高校随一の人気者の黒羽快斗。 「どこから見てもお子様じゃないでしょ!!」 可愛く頬を膨らませて反論している彼女は、江古田高校で可愛い女の子No.1に挙げられる 中森青子。 言うまでもなく、小さい頃からつかず離れずの快斗の幼なじみである。 ちなみに、江古田高校で美女No.1と称されているのはクラスメイトの小泉紅子で、 2−Bに所属している男子生徒は学校中の男子生徒から羨ましがられている。 「ほ〜、コレのどこがお子様じゃないって?」 「きゃあ!!」 イタズラっぽい表情を浮かべながら、快斗は青子のセーラー服の裾を思い切り捲り上げた。 「もうちょっと大人っぽいパンツ履いた方がいいんじゃねーの?」 にししと笑っている快斗に青子の肩がふるふると震えた。 「〜〜〜バ快斗っ!えっち!すけべっ!!」 「おわっ!」 快斗顔負けの手際でどこからか取り出したモップを振り上げて、青子がスカート捲りの制裁を 加えようと快斗の後を追う。 快斗と青子はそのまま教室で追いかけっこを始めてしまった。 窓際でそれまで黙って2人のやり取りを見ていた白馬探は大きく溜め息をついた。 英国での留学から帰ってきて、思いも寄らぬ手口で犯行を繰り返し、未だに捕まえる事の 出来ない怪盗キッドに出会った。 快斗は認めてはいないが、彼が怪盗キッドであると白馬は確信している。 しかし、こうして幼なじみ相手にスカート捲りしている姿を見てしまうと、 太陽の下での高校生の姿と月下の神秘的な怪盗の姿がとても重なりそうにない。 というより、未だに小学生のようにスカート捲りをしているのが、宿命のライバルだとは 思いたくないというのが真実だったりする。 また1つ、白馬の口から溜め息が零れた。 「あら、賑やかね。」 その時、待ち人の声が聞こえて白馬は顔を上げた。 「紅子さん。」 教室のドアを潜って自分の元へと歩んでくる紅子に、白馬が嬉しそうに口元を緩めた。 「またいつもの喧嘩?」 「えぇ、黒羽君もいい加減素直になれば良いと思うんですが。」 白馬は未だに追いかけっこしている快斗達をちらりと眺めて軽く肩をすくめた。 先程のスカート捲り。 青子のスカートの中が教室に残っている他の生徒の目には触れない角度で行っていた。 そうして子供のような独占欲を盛大に発揮しているクセに、いつも天邪鬼な事を言っては 青子と喧嘩をしている。 レディファーストの国に留学をしていたというのもあるが、たまに怒りを感じる事もあるし、 端から見ていてもどかしくてならない。 「青子君が可哀想ですよ。」 「・・・随分とあの子の事を気にするのね。」 「は?」 ぽつりと呟かれた言葉の意味が分からなくて、白馬が間の抜けた声を上げた。 そんな白馬にちょっとだけ拗ねたような口調で紅子が続ける。 「そういえば、あの子とのデートを賭けて黒羽君と争っていた事もあったわね。」 「ちょっと待って下さい!あれは本気ではないですよ!」 確かに転校してきて早々に、青子とのデートを賭けて快斗(正確には怪盗キッドだが)と争った。 けれど、それは青子に対する快斗の素っ気無い態度に、ついフェミニストの顔が出てしまった だけの事で。 あれが彼らのいつも通りのやり取りだと知っていたら、わざわざ口を挟まなかったはずだ。 ふいっと窓の外に視線を逸らした紅子に、白馬は小さく笑みを零した。 こうして彼女の感情が垣間見えるのを嬉しいと思ってしまう自分は、少々たちが悪いだろうか。 白馬は艶やかな紅子の黒髪を一筋すくい上げて唇を落とした。 「ボクが忠誠を誓うのは貴女だけですよ?」 振り返った紅子が真っ直ぐに白馬の瞳を見つめた。 「誓うのは忠誠だけ?」 深い漆黒の瞳に捕らわれて動きを止めた後、白馬は降参というように諸手を上げた。 「違います。けれど、ここで語るには落ち着きませんので、場所を変えても宜しいですか?」 「えぇ。」 鷹揚に頷いた紅子の手を取って、白馬は教室から彼女を連れ去った。 彼の気持ちを、思う存分語る為に。 忠誠を誓うといったら白馬君しか浮かびませんでした(笑)今思えばキッドでも良かったかも。 白紅の2人はまだ書きなれてないので、ちょっとぎこちないですね〜。 白馬君、もうちょっとわたわたさせたかったんですが、急にカッコつけて忠誠を誓っても変なので、 ↑のようになりました(笑)でも、もう少し3枚目に書きたかったな〜。 思ったより快青が出張っちゃいましたが、セクハラ快斗同盟の企画らしくなって良かったかな(笑) |
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