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怪盗キッドにはどうやら休みは無いようだ・・・。 今回は連続して予告状を出してくる。 そしていつもキッドの後を追っている中森銀三はどうやら疲れはてていた。 「ちくしょぉぉぉっ!!!!キッドめ!!!」 警察では叫び声が聞こえるほどにピークに達していた。 「警部!!!落ち着いてください!!!!」 「これが落ち着いていられるかっ!!!」 部下が必死に押さえていた。 それを鳩を使って聞いていたキットは苦笑していた。 「あはは、警部もこわれたかなぁ・・・」 少し辛い思いをさせているかと想うと胸が痛かった。 彼・・・中森警部は・・・中森青子の父親だった。 中森青子は、黒羽快斗=怪盗キッドの幼馴染みだった。 彼女は今はキッドの彼女。 だからなおさら辛いのだった。 彼女から父親と一緒に過ごす時間を奪うことが辛い。 フッと立ち上がり夜空を見上げると星々が輝いていた。 「オレにはちょっと・・・眩しい・・・かな・・・」 そしてこの夜空の中を舞い上がる。 白い翼を広げて飛び出していった。 今キッドが探しているものがる。 「硝子の靴」である。 童話で「シンデレラ」が履いていたという硝子の靴。 その靴は、触る人によって色々な光を放つ。 それを探していたが・・・なかなか見つからない・・・。 白い息をはきながら飛んでいる。 「はぁ・・・いったい何処にあるんだか・・・さみぃ・・・」 なんだかんだ言っているうちに青子の家に着いてしまった。 帰ることがもう習慣化しているのである。 時計を見るとすでに12時を廻っていた。 「あいつ・・・起きてるかなぁ・・・」 窓を叩く。 窓を叩く音に気付いたのか少し眠っていたが身体を起こして窓の方まで歩いていった。 そしてカーテンを開けて見てみると人影があった。 「キッド・・・?」 「ただいま戻りました、青子嬢?」 「・・・今日は・・・遅かったね・・・どうかした?」 「いえ、なにもありませんよ・・・」 「ホントね?嘘ついてない?」 「ええ、嘘じゃないですよ・・・」 キッドは青子の肩にそっと自分の額を置いた。 暖かさが伝わってくれる。 暖かい・・・この時が一番を落ち着く・・・。 「凄く身体冷たいよ・・・冷えてたんだね?」 「はい、冬の空は冷えますね・・・」 「ほら、頬がこんなに真っ赤だよ?風邪ひいちゃうよ・・」 小さな両手でキッドの頬を包み込む。 青子の優しい手の温かさが伝わってきて赤くなってしまう・・・。 「青子の手はどんな人よりも暖かいですね・・・」 「そんなことないよ?」 「こんな青子の手が大好きです・・・」 「キッド・・・」 顔の目の前で笑って青子から離れた。 「今宵はこれで失礼します・・・」 「えっ?もう帰っちゃうの?」 きょとんとした顔でキッドを見る。 「ええ、この頃忙しくて・・・」 「また行っちゃうの・・・?」 不安そうにキッドを見つめる・・・。 「大丈夫ですよ、私は必ず貴女の元に帰って来ます。信じてください。」 「うん」 そしてキッドは背中に着いている白い翼を広げて飛び立つ準備をした。 「身体には十分気を付けてください」 青子の頭に手を伸ばし、引き寄せて額にキスをする。 それで真っ赤になった青子が可愛かった・・・。 「では、“クリスマスの夜”に逢いましょう、青子?」 「えっ・・・クリスマス・・・?」 青子はそんな言葉を残したキッドの背中を見送っていた。 日にちが経ち今日はすでにクリスマス・・・・。 今日の日を祝うように人々は笑っていた。 青子はそんな人々の中一人で歩いていた。 いつもは快斗と一緒だが、今日は違う。 「お仕事」で忙しいのである。 「お仕事」=「怪盗キッド」である。 青子はそのことを知っていた。 本当はずっと一緒に居て欲しいけど・・・無理な事であった。 「ふぅ・・・今日も寒いなぁ〜〜。」 そんなことを想っているとお店の中に展示してあったものに目がいった。 青子はそれをみて笑ってお店の中に入っていった。 何十分後に青子は笑顔で出ていた。 そしてそのまま真っ直ぐ家に向かって歩いていった。 その頃快斗はというと・・・手に入れるための宝石を探していた。 色々な広告紙を見たり他のものを漁っていた。 紙の中で埋もれる中から声が聞こえた。 「やったっ!!!発見ーーー!!!!」 やっと見つけてホッとした顔で横になった。 「今日は、これで大丈夫!!!」 そして身体を起こして色々な細工を始めた。 全ては今日のためにしてきたことであった。 そして今宵もまた怪盗キッドから予告状が届いた。 「 今宵は、“シンデレラの硝子の靴”を頂に参ります。 怪盗キッド 」 と書いてあった。 中森警部はまた部下達を連れ「硝子の靴」がある美術館へと急いだ。 そこにはいつも居るはずの白馬や新一はいなく警察官だけだった。 きっとあの二人もこの夜を大切にしているのだろう・・・。 キッドにとってはこんな簡単な盗みはない。 しつこくて五月蠅い奴らがいないのである。 絶好の獲物が目の前にあるのだからたまらない。 双眼鏡で様子を見ていた。 「おぉー警部、相変わらず気合いが入ってるね〜〜」 ニヤッと笑って中に脚を踏み入れることにした。 「では、いきますかぁ〜!!」 キッドはどうやら手早く終わらしたいらしく睡眠ガスを使った。 警官達はあっという間に眠りについてしまった。 中でも中森警部はよく眠っていた。 きっと疲れているのだろう・・・・。 警部の顔の前に座りこみお辞儀をした。 「警部・・・どうか今日はゆっくり眠ってください」 立ち上がり硝子の箱に入っている硝子の靴を取り出す。 「これが・・・あの・・・硝子の靴・・・」 硝子の靴はキッドが触れると光り出した。 青い光を放ちながら。 「確か青の光は・・・嘘をついてるってことだよな・・・なんだ・・・わかってんだ この硝子の靴」 フッと笑いながら用意してきた箱の中にそっとしまいこんだ。 窓の所まで歩き、空に飛び立っていった。 向かう場所はただ一つ・・・彼女が待っている所へ・・・・。 青子は窓を開けながら冬の空をみていた。 この日に会おうと言った彼のことを・・・・。 「来るのかなぁ・・・」 ジッと空を見ていると空の星々に混ざって白いものこっちに向かって来るのがわかる。 そして青子の目の前に降り立った。 「こんばんわ、青子嬢?」 「来てくれたのねvv」 「勿論、あなたとの約束ですからね」 青子はいつの間にか真っ赤になっていた。 寒いせいもあるかもしれないがあまりにもキッドがカッコよくて・・・。 「あ、あのね、キッドにプレゼンのしたいものがあるの!!」 照れながら言う。 「なんですか?私にですか?」 「うん!!ハイこれ!!きっと毎晩寒いと想って。 本当は手編みにしたかったんだけど・・・時間がなくて・・ゴメンね?」 青子の手には暖かそうなマフラーがあった。 照れて笑っている無邪気な青子が可愛かった・・・。 「青子・・・ありがとう・・・・すっごく嬉しいよ・・・」 青子を抱き寄せ抱きしめる。 「き、キッドっ!!く、苦しいよぉ・・・」 その声に気付きそっと離す。 「青子、私からもあなたにプレゼントがあります」 「えっ?なに?」 キッドは箱の中に入っていた靴を取り出した。 「これをあなたに・・・」 取り出したのは美術館で盗んだ「硝子の靴」だった。 「硝子の靴?!嘘!!童話だけのお話じゃ無かったの!?」 青子は目を丸くして驚いていた。 キッドは青子を白いマントで包み込み一瞬にして青子はドレス姿に変わっていた。 「さぁ・・・これを履き私と一緒に夜の散歩に出かけませんか?」 片足を付き青子の手を取り手の甲に口付けをする。 両手で顔を覆いながらコクンと頷いた。 「では、今宵の旅に・・・」 キッドは青子を抱きかかえ空に飛び立った。 「わぁ・・・綺麗な夜景・・・」 青子はキッドにしっかり掴まりながらみてた。 「喜んで貰えて光栄ですvv」 ニッコリ青子に笑いかけた。 そして何処かの丘に青子をそっと下ろした。 「青子、私と踊ってくれますか?」 「ええっ!!青子踊れないよ!!!」 「大丈夫、私がついています」 青子にお辞儀をして手を取り踊り始めた。 「わぁ・・・キッド上手だね〜〜vvv」 笑いながら言っていた。 「あなたは私のシンデレラです。どうかこのまま魔法が解けないで欲しい・・」 キッドは白いマントで青子を包み込んだ。 「大丈夫・・・青子はあなたの傍から消えたりしないよ・・・?」 青子はキッドと瞳を合わせて額をくっつけた。 そして笑う。 お互いニッコリ笑っていた。 青子の脚には光輝く硝子の靴を履いていた。 光はピンク色の柔らかい光が射していた。 信じている心・・・それを表している。 ずっと信じ続けると言うこと・・・。 キッドはその光をみて安心したかのように青子と唇を重ねるとキッドから快斗に戻った。 「快斗・・・ずっと一緒だからねvv」 「ああ、約束だ・・・」 「うんvv」 「ほら、寒いからさぁこれ着れよ?」 コートを渡して笑った。 「ありがとうvvそして最高のプレゼントありがとうvv」 「青子だけだからな?あとマフラーありがとなvv」 二人は笑い会いながら歩き出していった。 いつの間にか青子が履いていた硝子の靴は消えていた。 それは・・・美術館へと戻っていた。 青子にはその靴より一回り小さい快斗手作りの硝子の靴を青子にあげた。 青子が見せるほんの少しの笑顔が大切だから・・・・。 守りたい・・・。 そんな君と一緒の最高のクリスマスだから・・・・。 <了> |
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++++++++++++++++++++++++ 梢さんからクリスマスプレゼントに頂きましたv 硝子の靴というのがめちゃめちゃロマンチック! ずっとキッドのままでいたせいか、快斗がいつもより 素直で気障で素敵でしたvv シンデレラの魔法は12時を過ぎたら解けてしまうけど、 キッドの魔法は永遠ですよね! 素敵なお話をどうもありがとうございました!! ++++++++++++++++++++++++ |
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