やっぱり鉤爪でくいっがポイント(笑)


迫ってくる男から後退った青子は、背中に壁を感じてしまったと思った。
けれど、表情には出さずに、精一杯目の前の男を睨みつける。
その気の強い眼差しに、彼女を追い詰めた男、快斗は楽しそうに笑った。
この強い光を宿した眼差しは気に入っている。
どうしても彼女を自分の物にしたくなったのは、これも理由の1つだ。
(いや、違うな。)
青子が青子として存在する限り、こうして彼女を求める心に変わりはない。
彼女の全てが欲しかった。
「もう逃げ場はねーぞ。観念してオレの物になれよ。」
快斗は青子の顔の脇に右手をついて、左手の鉤爪で彼女の顔をくいっと持ち上げた。
「いやよ!」
「つれねーなぁ。ま、そこも良いんだけど♪」
青子に強く拒絶されても、快斗の口調に滲む余裕は消えない。
圧倒的有利な立場に立っているのを自覚しているのだ。
青子は悔しそうに唇を噛みながら、一生懸命脱出策を考える。
追い詰められているといっても、直接快斗に掴まれている訳ではない。
だったら、今顎を捕らえている左手を払えば逃げられるはずだ。
きっと思い切り払えば快斗は慌てて手を引くだろし、その隙に右へと逃げれば良い。
鉤爪の手では青子を捕まえる事はできないし、
快斗が身体を反転させて右手を伸ばしても捕まらないだろう。
自分の素早さには自信があった。
(うん、そうしよう!)
その考えの裏に、青子の顔に傷をつけるような事はしないと、
その程度には快斗への信頼があるという事に青子は気がつかなかった。
「どうした?」
黙り込んだ青子の顔を快斗が訝しげに覗きこんだ時、青子は行動を起こした。
「うわっ!」
顎を捉えている快斗の左手を思いっきり跳ね上げると、
青子の肌を傷つけそうになった快斗が慌てて左手を引いた。
がら空きになった右側へと走り出した青子が、作戦の成功を信じたその時。
大きな手が青子の左手を掴んだ。
「えっ?」
振り返った青子の目が大きく見開かれた。
青子を掴んでいるのは快斗の左手。
ちゃんと温かさを感じる本物の手。
「ウソぉ・・・」
下へと視線を落とした青子は、そこに転がっている鉤爪を見て全てを悟った。
あの鉤爪の手は偽物だったのだ。
「騙すなんてずるいっ!!」
「奥の手は最後まで隠しておくもんだろ?」
快斗は糾弾する青子にくつくつと笑いながら、華奢な腕を引っ張って青子を腕の中に捕らえた。
「さぁどうする、青子ちゃん?」




青子ちゃん、大ピンチ!(笑)
あまりにも素敵なイラストでついつい小話を書いてしまったんですが、快斗悪役が似合いすぎ(笑)
鉤爪を偽物にしちゃったのは色々(って何?)と不便そうだったからです。
だってねぇ、青子ちゃんの珠のお肌を傷つける訳にはいかないじゃないですか!(笑)
このイラスト、元々はチャットをしていてまじ快でピーターパンをやったらどうなる?と
盛り上がった話を利一朗君がイラストにしてくれたのです。
想像以上に素敵なイラストで惚れ惚れとしてしまいますvホント、チャットをやって良かった(笑)
利一朗君、本当にありがとうございました!



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