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・・・・・・・・・・・・・・・ マルーは、このまま歩いていくつもりでいる。 が、そんなことはさせられないので、バルトは対策を考える。 (無理矢理背負うなんてできないし。となると・・・) 思いついたのは、実行するにはかなり勇気の要ること。つまり、かなり照れくさいこと。 (恥ずかしいよな・・・。でも、傷が悪化しちまうとまずいし。 ええい、うだうだ考えてても仕方ねえ!) 覚悟を決めたバルトは、マルーの背中とひざに手を伸ばし、マルーを抱き上げた。 いわゆる、お姫様だっこというやつである(笑) 「ちょ、ちょっと、若。おろしてよ!」 真っ赤になったマルーが抗議して、手足をバタバタさせた。 「いいから、じっとしてろ!落ちるぞ!」 同じく真っ赤になったバルトが、大声を出した。 その言葉に、慌ててマルーはバルトの首にしがみついた。 マルーの顔がいきなり至近距離に近付き、バルトは心臓バクバク状態になり、マルーを落としそうになる。 「きゃあ!!」 マルーがさらに強くしがみついた。 (こんなに近付くなーーー!!) バルトは内心かなり動揺しながら、マルーを抱えなおした。 「安心しろ。落とさねえから、もうちょっと力緩めろよ。」 その言葉にマルーは我に返り、急いで力を緩めた。 「ご、ごめんね。苦しかった?」 マルーが顔を上げると、バルトとすぐ近くで目が合ってしまった。 お互いにそれ以上赤くなりようがないくらい真っ赤になって、すぐに相手から視線をそらす。 「別に、苦しくなかったから。それより、傘持ってくれるか?」 そっぽを向きながら、バルトがかろうじて言葉を発した。 「うん。」 マルーはバルトから傘を受け取った。 「じゃ、歩くぞ。」 そう言って、バルトは歩き出した。 (マルーって、こんなに軽いんだ。肩とかも、細いよなぁ。) マルーを抱いて歩いていると、いつもとは違うことが感じられた。 このままでいると変な気持ちになりそうで、バルトはひたすら歩くことに集中した。 (若って、がっしりしてるんだなぁ。) 一方、マルーも同じように感じていた。 自分を抱いているのにふらつくこともなく、バルトは先程よりもゆっくりと大またで歩いていた。 (ひょっとして、怪我に響かないように、わざとゆっくり歩いてくれてるのかな?) バルトなりの気の使い方が、マルーにはうれしかった。 ふと思いついて、バルトの肩に頭を預け、そっと耳元に囁く。 「若、ありがとう。」 一瞬、バルトはビクッとしたが、なにも言わずそのまま歩きつづけた。 しかし、ひたすら前を見て歩いているバルトの横顔が耳まで赤くなってることに気付き、 マルーはクスリと忍び笑いをもらした。 (たまには、こういうのもいいよね。) 普段できないことが、今日はなぜか自然とできた。 それは、夕立が優しく二人を包んでくれている為かもしれなかった。 その後、無事、城に戻った二人が、バルトは仕事をサボったことで、マルーは安静にしてなかったことで、 シグルドや爺にたっぷりお説教されたのは言うまでもない(笑) <了> |
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最後、お姫様だっこするのかと思ったと言われて書いてみたもの。 思いついてたら、こっちにしてたんですけどね〜(笑) その悔しさが「酔ってる間に」につながってたりします(笑) |
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