|
きれいに空が晴れ渡った気持ちのいい午後。 バルトとマルーは花が咲き乱れている丘の上にいた。 前にギアで出かけた時にバルトがこの場所を見つけ、マルーを連れてやって来たのだった。 こんなに穏やかな時間を過ごすのは久し振りで、二人ともかなりはしゃいでいた。 会話が途切れ、マルーがきれいな花々を楽しそうに眺めていた時。 突然、バルトがマルーの方に寄りかかってきた。 顔のすぐ側にバルトを感じて、マルーの心臓はドクンと跳ね上がった。 「わ、若?どうしたの?」 ちょっと顔を赤くしながらバルトの方を覗きこむと、バルトはすっかり眠ってしまっていた。 「・・・しょうがないなぁ。」 一人でドキドキしていた自分にマルーが照れ笑いを浮かべた時、バルトの体がガクッと前に 落ちそうになった。 マルーは慌てて手を伸ばして支え、そっと自分の膝の上にバルトの頭をずらした。 バルトは気持ち良さそうに眠っていた。 「まったく、もうちょっと話をしたかったのに。勝手に一人で寝ちゃって。」 優しく微笑みながら、マルーは眠っているバルトの額を指で軽くはじいた。 「ぅん・・・」 バルトがちょっと反応した。 マルーは急いで手を引っ込めて、バルトの様子をうかがった。 起きる気配はなかった。 マルーはホッとして、さっき中断されてしまった花々の鑑賞を続けることにした。 バルトと久し振りにゆっくりと話ができなくなってしまったのは残念だったけれども、 バルトが自分の側でこんなに無防備に寝ていることがなぜだかうれしかった。 丘の上を風が優しく通り過ぎていった。 穏やかな時間はまだまだ終わりそうになかった。 「ぅん・・・」 額に軽く衝撃を感じてバルトは目を覚ました。 しかし、眠気は強烈で目を開けることはできなかった。 (あれ?こんなとこに枕なんてあったっけ?) 自分の頭が柔らかいものにのっていることをバルトは不思議に思った。 (しかも、枕にしては妙にあったかいよな。) 眠気の為によく働かない頭を必死で回転させるが、枕の正体は思いつかなかった。 そこで、目を開けようと頑張り、かろうじて薄目を開けることに成功した。 最初に目に入ったのは、花を眺めているマルーの顔だった。 その顔にしばし見とれてから、バルトはハッと気が付いた。 (なんで、俺、マルーを見上げてんだ?) バルトがマルーを見上げることなんてそうそうない。 そこで、ようやく枕の正体に思い当たった。 バルトは頬が赤くなっていくのを感じた。 慌てて起き上がろうとするが、体はまだ覚醒していないらしく動くことができなかった。 (どうしたらいいんだーー!!) 焦るがやっぱり動くことはできない。 寝起きの頭で一生懸命考えて、とうとうバルトは一つの結論を出した。 現状維持、だ。 (動けねぇし、しょうがねぇよな。) とりあえず、体が動くようになるまでそのままでいることにした。 そのうち、マルーの膝の気持ち良さにまた眠くなってきた。 (やべぇ。また、眠っち・・まう。・・・起、き・・なきゃ・・・) 抵抗もむなしく、バルトは再び眠りに落ちていった。 バルトが目を覚ますのはまだまだ先のようだった。 <了> |
|
リクエストして描いて頂いたキリ番イラストが、もう素晴らしくて(^^)見てすぐに思いつきました〜♪ 李那さんが「若は熟睡」とおっしゃっていたので、本当に熟睡していたのか〜?(笑)という疑惑のもとに 書いてみました。 結局、若は熟睡してしまいましたね〜。もったいない(笑) そうそう、李那さんのイラストへはこちらからどうぞ!! 必見です(^^) |
|
|
|